「さよなら」そう言って笑って

だから僕はお笑い感想家として生きていく

キングオブコント2017について

10月1日にキングオブコント2017決勝戦が行われました。その感想を書いていきます。今回、こういった感想を書くのは初めてで変なところがあると思います。ご了承ください。

〈1st stage〉

1.わらふぢなるお 『コールセンター』

1/2477の化学反応

このネタは何回か見たことはあります。しかし『保留音の曲紹介』といった新しいボケが足されており、「電話」の設定を活かしていたり、「ノイローゼになる」などのツッコミのワードも練られていたりして、ずっと笑っていられました。また、コンスタントに笑いが取れている点で、一番手にぴったりのネタだと思いました。

2.ジャングルポケット 『エレベーター』

目指せ! 悲願のウイニングラン!

エレベーターというアイテムをしっかりと使った上質なコント。「慌てる斉藤さん」だけでも面白いのに「斉藤さんのエレベーターを動かさない理由が変化していく」という脚本もかなり精巧に作られていてよく考えられているように感じました。トリオであるからこそのコントだったように思います。

3.かまいたち 『告白の練習』

浪速のエース 狙うは王者のみ

山内さんが告白の練習をするのを見ている濱家さん。冴えない男子が考えそうなこと(マドンナに告白される)という実際にもありそうな設定から、どんどんヤバいやつだと分かっていく中でも「スタンガンの使い方」というなどのちょっとベタなボケを入れていて、バランスが良かったです。個人的に「もしかしたら、山内さんは濱家さんに気づいているかもしれないが、あえてそうしてる」と思った続きが見たいコントです。

4.アンガールズ 『海』

18年目の原点回帰

独特の雰囲気、ワードセンスというアンガールズらしさを感じるネタでした。特に「俺の心の中のコップが一杯になっちゃった」はもっとウケてもいいのではないかと思いました。やはり18年のコントへの厚みを感じました。

5.パーパー 『卒業式』

不思議系ニュータイプ

こちらもアンガールズと同じように独特の雰囲気、ワードセンスを持つコンビ。話としては、山田さんのまだ本当に現実でありそうなボケに星野さんのワードセンスが光るツッコミの前半、星野さんのサイコ感溢れるボケの後半に分かれていたのではいないでしょうか。「マルチ商法的に集める」というボケがかなり面白かったです。

6.さらば青春の光 『居酒屋』

最多5度目の決勝! 悲願のキングへ

去年は2回戦で敗退し、今年は個人的に期待させてもらっていたコンビです。今回のネタは凡才のコンビがやったらしつこいだけで終わりそうなものですが、「ライブ感」の見せ方でずっと面白いネタへと昇華されていました。期待を余裕で飛び越えていったカッコいいコントでした。

7.にゃんこスター 『縄跳び』

史上初!最速!最年少!

「コントは自由なもの」とアルピーの平子さんは言っていましたが、まさにそれでした。ボケは「サビで使わない」というシンプルなものでありながらもツッコミでしっかり笑いに変えていて、面白かったです。曲も老若男女問わず聴いたことがあるだろう曲であるため、ボケへのドキドキ感を演出していたと感じました。

8.アキナ『山名さんと秋山君』

三度目の正直! 進化を遂げた本格派

笑いは「緊張から緩和」、ホラーは「緩和から緊張」という相反するものですが、今回のコントは怖くて面白いという点で革命的なコントだったと思います。秋山さんのツッコミをリアクションだけにしたり、次第に距離を置いていったりするところにリアリティーがあって良かったです。

9.GAG少年楽団 『三角関係』

10年目につかんだ 涙のファイナル

まず、設定が良かったです。そして、「50年が2秒」といったパワーのあるワードもあり、なおかつストーリーもしっかり出来上がったコントでした。次のネタも見てみたいと思いました(他の組もそうですが、ここは特に)トリオだった。コントで売れて、幸せになってもらいたいです。

10.ゾフィー 『母の家出』

前人未到! 無所属からキングへ

個人的には、男子高校生の「あるある」設定から高い演技力で引きずり込まれ、笑いました。。また、「携帯の登録が『飯』」などいいボケもありました。このコントは「女性を軽く見ているのではなく、男女間の差がなくなった今だからこその男側の意識を変えていくべき」というメッセージも込められていたりするのではないだろうかと1人思ってみたり。

〈final stage〉

1.アンガールズ 『ストーカー』

「すごいな、アンガールズ」と思わされたコント。田中さんがボケに回ると、いい意味で気持ち悪く、面白かったです。オチも平和的で最後までアンガールズらしさを楽しめました。

2.ジャングルポケット  『スパイ』

バカバカしさと3人にピッタリのキャラで「ジャングルポケットにしかできない」コントだったと思いました。「やめろ」の規則性であったり、絶対に銃で殺そうとしない点など随所に工夫があって、面白かった。

3.さらば青春の光 『パワースポット』

これはさらば青春の光の中でも有名なコントですが、新しく足されたボケが本当に面白かったです。設定やボケの質、演技の見せ方どれを取っても今回の大会トップクラスのコントといって過言では無いと思います。

4.かまいたち 『サーフショップ』

今度は逆に濱家さんがヤバい人(といっても、実際にいなくもないレベル)でした。客に対しての対応であったり、コミカルな絵的な演出がかなり良かったです。優勝にふさわしいコントだったと思います。

5.にゃんこスター 『フラフープ』

1本目と同じようなボケ、同じような展開、同じようなツッコミ。少年なら読んだことがあるだろう「コロコロコミック」のギャグ漫画に通じるものがあるように感じました。今の制限の多い世の中でこのようなコントを人々は求めていたのかもしれません。

 

〈最後に〉

今回のキングオブコントはどのコンビも面白く、優勝の可能性は十分あったと思いました。来年も楽しみです。

色々と生意気で見当はずれの事も書いてしまったかもしれません。もし、なにかコメントなどありましたらご指摘よろしくお願いします。